こんにちは!肉オタの田窪です。
前回はいろんなお肉の
「筋」について研究しました!
「肉オタが選ぶ!いちばん簡単な筋切り&すじ取り方法」
その中で反響が大きかったのが
「ささみの筋取り」!!!
「もっと詳しく知りたい!」
「成功率を上げたい!」
との声。ごもっともです!
そこで今回は「ささみの筋取り」をググっと追求してみます!
<ササミ筋取り>プロの技を実践!
前回は、道具別で筋取りのしやすさを実験。
包丁・割りばし・フォークの中では、
「フォークを使う」をお勧めしました。
もっと深掘りするには…
そうだ!プロに聞いてみよう!!
◆筋とりのプロに突撃取材!
上手な筋取りの仕方をきっと知っているハズ!
そう思って尋ねたのは、鶏の専門店。
「筋とりのコツって何ですか?」
「慣れ、ですね~!」
な…、慣れ?!
えーーーー!
コツとかは無いのでしょうか…。
お聞きした鶏専門店では、鶏肉のお惣菜も販売しています。
店員さんは毎日何本も筋取りをするうち段々と上手になるのだそう。
「慣れ」、かぁ…。
練習が一番なんですね…。
いやいや、それだけじゃ帰れない!
プロの技を知りたい!!
ということで、筋取り名人に
実際の手順を聞いて実践してみました♪
◆コツを実践してみた
使う調理器具は、包丁とまな板のみ。
特別なものは使わないんですね~!
教えてもらったとおりにやってみます!
①筋に沿って両側に切れ目を入れる
②裏返し、出ている筋を左手で持つ
③肉と筋の間に包丁を差し込み、ゆっくり上下に動かす
決め手は「焦らない」とのこと!
バイオリンの弦をゆっくり弾くように
動かすのがポイントだそうです~♪
できました!
なかなか上手に出来た!!
嬉しい~♪
プロに教えてもらったコツは「慣れ」。
この調子で、慣れるように練習してみましょう~!!
◆コツは「慣れ」すじ取り練習
いざ、ささみの筋取り練習!
お得用、100g/88円のササミ、よく行くスーパーでGETしました♪
さっきの要領で~
筋取り6本。
そしてふと、気が付きました!
「練習するにつれて、ヘタになってない?!」
同じパックで、グラム数もほぼ同じササミなのに。
並べてみると…↓
(写真上が1本目、写真下が6本目)
やっぱり、どんどん下手になっているーー!!
「なんで!?」
調べつつ、写真撮りつつ1時間かけて練習してるのに!
あっ!もしかして、原因は「時間」?!
冷蔵庫から出したばかりのささみと、
常温で置き、時間が経ったささみ。
「時間」がたつと、「温度」が変わる!
それで、やりやすさが変わるの?!
これは調査せねば!!!!
【実験】温度で比較!筋とり成功率
さっそく比較実験です!
検証する内容
温度で筋取りの成功率は変わるか?
次の(1)~(4)の温度帯で、
各3本筋取りして成功率を比較します!
比較する温度
(1)マイナス2℃
(2)15℃
(3)3℃
(4)1℃
※ササミ自体の温度を(1)~(4)にして実験
◆実験準備
まずは各温度帯のささみを準備。
(1)マイナス2℃
2時間冷凍後、常温で解凍しました。
(2)15℃
2時間常温で置いたもの。
(3)3℃
一晩、冷蔵保存したささみ。
(4)1℃
真空チルドで一晩保存しました!
用意した4種類の温度のささみです!↓
ささみ自体も、
同じ品質のものを準備しました。
◆ささみ筋取り実験
ささみを各3本づつ筋取りして成功率を出してみます!
筋取りの方法は同じです。
ではさっきの筋取りの方法で、同じようにやってみます!
(1)マイナス2℃
2時間冷凍後、常温で解凍したササミ。
冷凍→解凍したので、半分凍っているような状態…。
身がシャリシャリとした触感。
筋の部分に上手に切れ目が入れられませんでした。
結果、失敗…。
(2)15℃
2時間、常温で置いたもの。
ささみの身が柔らかくなりすぎ!
筋にうまく包丁が当たりませんでした。
筋を取ると、ひきつれのような感じに。
(3)3℃
一晩、冷蔵保存したささみ。
キレイにとれました!
(4)1℃
真空チルドで一晩保存したものも
キレイに筋取りできました!
◆並べて比較
(1)~(4)を並べてみました!
写真向かって右側2つがきれいに筋取りできています!!↓
半解凍状態の(1)、常温の(2)はブチっと途中で切れてしまいました。
冷たい状態の(3)(4)はどちらも成功!
13センチほどの筋が全部取れました。
◆実験まとめ
3本挑戦した結果です!
筋取りに慣れてきたおかげか、3℃・1℃は成功率100%!
常温15℃では、まぐれのように3回目だけ成功しました。
半解凍のささみはそもそも筋のカットがうまくできない…。
成功率は0%でした。
\結論/
ササミが冷えている方が筋取りしやすい!
※ただし凍らせてはダメ
どんなお肉も、ある程度冷えていた方がカットしやすいですよね~!
ささみの筋取りの場合も同じ!
適度に冷えていて身が引き締まっている状態の方が◎!
余分な肉の動きがないため、筋離れが良いような気がしました。
半解凍、または常温だと失敗しがち。
冷えたササミだと、筋取り成功率が上がります♪
ササミの筋取りは、冷蔵庫から出したての冷たい状態で!
ささみ活用術
続いては調理法にフォーカス!
筋取りに失敗しちゃったささみはどう使えばいいのでしょう??
まずは「鶏ささみ」について、詳しく知りましょうー!
◆鶏ささみってどんなお肉?
脂肪が少なくタンパク質も多い!
ささみって人気ありますよね~♪
◆どこの部分?
「ささみ」は鶏のヒレにあたる部分!
まずは絵でご説明!
(自分で書いてみました)↓
鶏の中で「ささみ」は、「むね肉」の中にあります!
ここは、牛肉や豚肉でいうところのヒレ部分にあたるんですね~♪
◆むね肉との違い
低カロリーで高タンパク、糖質ゼロ!
この点は、むね肉もささみも同じです。
むね肉とささみの大きく異なる部分は「皮」と「脂質」の違い。
皮つきだとカロリーは高いんですね!脂質もささみの方が低めです。
エネルギー(100gあたり)
鶏むね肉(若鶏) 皮付き | 145 kcal |
鶏むね肉(若鶏) 皮なし | 116 kcal |
鶏ささみ(若鶏) | 109 kcal |
糖質(100gあたり)
鶏むね肉(若鶏) 皮付き | 0 g |
鶏むね肉(若鶏) 皮なし | 0 g |
鶏ささみ(若鶏) | 0 g |
脂質(100gあたり)
鶏むね肉(若鶏) 皮付き | 17.2 g |
鶏むね肉(若鶏) 皮なし | 1.9 g |
鶏ささみ(若鶏) | 1.1 g |
※文部科学省 食品成分データベースより
※鶏ささみは1本あたり45g
コスパが良いのは一枚が大きなむね肉!
ただ、「脂質をより抑えたい」という方には、ささみがおすすめ♪
ささみ調理①:上手に筋取りできた時
筋がうまく取れるようになったらコレ!
チーズや大葉を巻いてみるのもいいですね!
ささみ調理②:筋取りに失敗したささみは?
筋取りに失敗しちゃった!
身がボロボロになってしまった…。
そんな時でもムダにしません!
ひと口大にカットして、しょうが焼きに!
身に残っている筋も、カットしちゃえば
食感もそれほど気になりませんでした♪
ささみ調理③:形を生かしたい場合
さらに調べてみると、硬くて大きな筋だけ取る場合もあるとか。
大きな筋って、ここの部分↓
筋取り後のささみは形が崩れやすいんですー!!
こんな風に…↓
フライや天ぷらにしたい場合、中の筋を取らずに調理した方がキレイに出来るのだそう!!
あえて筋入りのまま調理、それもありなんですねー!
ささみ調理④:ゆでてから筋取り
ここまでいろいろ筋取りしてきました。
でも…、
「ゆでてから筋取りをすれば簡単」
なのだそうです!
(もっと早く知りたかった)
ささみが浸る程度にお湯を沸かし、
下味が付くよう、塩と酒を少々。
ササミを入れて再沸騰したら、
余熱で10分放置するだけ。
ピッと飛び出している筋を
そっと引っ張ってみると…?↓
おおっ!
ゴロっと大きな筋が取れました。
ただ、どれも筋のように正直見えて分かりにくいですね…。
バンバンジーや和え物など、ゆでてほぐして使う分なら筋取りしなくても良さそう♪
ゆでたささみを、キャベツと一緒に昆布だしで和えたもの。
副菜にちょうど良い感じです♪
ささみ調理⑤
取った「筋」を有効活用!
たくさん取ったささみの「筋」。
これまでは捨てていましたが、
こんなにあるのにもったいない~!
そこで「筋」も調理にトライ!
魚の骨のように、油で揚げたら
美味しくなるかもしれません。
にんにく醤油で下味をつけて
から揚げに!
揚げたことで筋が柔らかくなったかも?
ビールにぴったりのおつまみになった♪
まとめ
プロが教える筋取りの方法
大事なのは「慣れ」
・包丁で先に筋の両側に切れ目を入れておく
・包丁をゆっくりスライドさせ、筋の最後まで動かして取る
・焦らない!
成功率を上げる方法
「冷えたささみ」を使うのがコツ
冷蔵庫から出したばかりの、1~3℃程度のささみなら適度に冷たく、筋と身が離れやすい!
・常温のささみ
→身が柔らかくなりすぎて失敗する!
・半解凍のささみ
→凍っている部分に切れ目が入れにくい!
こんな風に調理しよう
筋取り成功した時 | 開いて具材を巻くなど 好きなように使おう |
筋取り失敗した時 | ひと口大にカットして 調理しよう |
そのままの形で調理したい時 | 出ている筋のみカットする (身が崩れにくい) |
筋取りなしで良い時 | ゆでてほぐすと気にならない |
意外なことに、「筋」も調理すると美味しい!
揚げものがおすすめです♪
今回の実験で使ったささみは
およそ30本!!!!!
私はもう筋取り名人かも(笑)
ちなみに…。
価格が異なるささみを使っても筋取りしやすさは、さほど変わらず。
やはり、ささみ個々の筋のつき方と、保存温度に関係するのだと思います。
「慣れ」の要素も大きいですが、鶏肉が好きな方は、冷えたササミでぜひチャレンジしてみてくださいね。
次の食オタnoteもお楽しみに!!