これから季節の疲れが出やすい時期。
そんな時は、栄養バランスの優れた「味噌」をしっかり食べましょう!
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江戸時代の食の百科事典とも評される「本朝食鑑」(ほんちょうしょっかん)。
この書の中で、味噌についてこんな記述もあります。
「一日も無しはあるべからざるなり」
日本のスーパーフードと言われる味噌。
今回は「味噌」に迫ります!!
そもそも味噌とは?
◆種類
味噌は大まかに3つに分類されます。
米味噌 大豆に米麹と塩を加えて発酵熟成させる |
麦味噌 大豆に麦麹と塩を加えて発酵熟成させる |
豆味噌 大豆に麹菌を付けた豆麹と塩を加えて発酵熟成させる |
使用する麹が違うんですね!
麹についてはコチラの記事で解説▼
◆産地
地域によっても好まれる味噌が違うようです。
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私もいろいろな地域に住んだことが。
各地で使用する味噌が違いました!
「調味料はおもしろいな~」と思うきっかけでもあるんです。
◆味と色の違い
まず豆の違いで味は大きく変わります。
味噌は大豆だけではなく、様々な豆から作られます!
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麹と豆の割合や塩の分量によってももちろん味や色が変わります。
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大豆を蒸すのか茹でるのかでも味わいが変わるんですよ。
熟成期間でも変化が!
味噌の色あいは、熟成期間中のメイラード反応で変わっていきます。
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メイラード反応とは?
原料に含まれるアミノ酸と糖が反応して、褐色の色素に変化すること。
玉ねぎを炒めるとあめ色になるのも同じ反応です。
色の濃くなってしまった味噌も使い方を考えれば大丈夫!
旨味もコクもたっぷりですから。
◆味噌のことわざ
味噌の効用をうたったことわざもあるんですよ。
・味噌の医者殺し
・味噌汁は朝の毒消し
・医者に金を払うよりも味噌屋に払え
・味噌汁は不老長寿の薬
・着物(かかあ)質に入れても味噌を煮ろ
などなど…
面白いですよね。
昔から味噌が生活に密着し、愛されていたことがうかがえますね。
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米味噌や麦味噌は材料さえ揃えば自宅でも仕込むことが可能です。
ぜひ挑戦してみて下さい▼
◆豆味噌って?
でも豆味噌はその製法が独特。
大豆と一緒に米や麦の麹を仕込むのではないんです。
大豆自体を麹にして仕込むんです。
好みが分かれるかもしれませんが、煮込むと味わいが深くなる!
コクのあるのが豆味噌。
「豆味噌」ってよく知らない??
でも「八丁味噌」というと、知っている方も多いはず。
◆八丁味噌とは?
愛知県岡崎市の限られた地域だけで作られる豆味噌が、八丁味噌。
岡崎城から西へ八丁(約870m)行った八丁村で作られる味噌の名称。
それでは…
大人の社会科見学に行ってみましょう!
味噌蔵を巡る~八丁味噌
みなさんは味噌蔵って行ったことがありますか?
見学してみましょう。
八丁味噌のまるや&カクキュー
愛知県岡崎市にやってきました!!
旧東海道を挟んで2つの蔵が向かい合っています。
こちらがまるやさん。
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そして、こちらがカクキューさん。
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八丁味噌の発酵熟成期間は二夏二冬。
つまり2年以上熟成させるということ。
大きな木桶の上にたくさんの石を
ピラミッドのように積み上げるんです。
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これができる職人さんはごくわずか。
地震の際にも崩れなかったそうですよ。
それぞれの蔵の石積みです。
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美しいですよね。
蔵に住む菌たちに見守れながら
2年の月日を重石をのせたまま熟成。
固めで色の濃い味噌ができ上がるはずですね。
両方の八丁味噌を食べ比べましたが、少し味が違いましたよ。
今はもう職人さんが少なくなったということで大きな木桶の一つ一つが大切。
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まるやさんでは豆麹も見せていただきました。
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ぼんやりしていた
八丁味噌と赤だし味噌の違いも
スッキリしました!笑
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余談ですが、カクキューさんでの話。
フォークリフトに名前がついているのがかわいかったです!
その名も…「小六」「竹千代」などなど!
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豆味噌の伊藤商店(傳右衛門)
名古屋出身の私ですから、これだけでは終わりません!
もう一か所、豆味噌の有名な場所が!
知多半島にある武豊町(たけとよちょう)。
昔、関東の銚子・関西の竜野と並んで「三大醸郷」と言われたそうです。
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そんな武豊町は、豆味噌と小麦不使用のたまりが有名。
武豊町には今も、昔からの製法で、5軒の蔵が残っています。
大豆を麹にするときの味噌玉の大きさや仕込む時間、仕込む塩水の量などは、
蔵ごとに少しずつ違うんだとか。
その中で見学させていただいたのは
こちら!!
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伊藤商店(傳右衛門)さん。
十代目を継ぐ伊藤さんが蔵内を案内してくれました。
こちらの石積みはというと…
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八丁味噌に比べると味噌が柔らかいため
重石の石積みは低くても大丈夫!
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江戸時代から伝わる木桶で3年熟成させるそうです。
作業はほぼ手作業、しかもかなりの重労働。
もう尊敬しかありません。
小麦不使用の濃くて旨味たっぷりのたまりも美味しいんですよ!
グルテンフリーということで海外での需要も高いとのこと。
味噌を巡るお土産
これらの蔵をまわって購入したお土産は…
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味噌だらけです!笑
味噌蔵は、麹の神秘の世界。
もっと発酵食品が好きになります!
見学させていただいたみなさんありがとうございました!!
次回は他の蔵も巡ってみたいと思います。
味噌蔵めぐりについて
事前に連絡をすれば見学可能な蔵もあるので、興味のある方は是非!
ご迷惑にならないようにお気遣いくださいね。
味噌で腸活!
腸を元気にするために、味噌は毎日食べたい食品のひとつ♪
蔵の味噌でも、手作りみそでもぜひ生活に取り入れてみて下さい!!
◆みそ汁で腸活
味噌と言えば、味噌汁!
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不老長寿の薬、味噌の医者殺し…。
ことわざでは体に良いと言われていても
味噌は塩分が気になるという方も。
こういった方法をお試しください!
塩分が気になる方の腸活味噌汁
・だしを濃い目にとる
・野菜たっぷりの具だくさんにする
旨味がたっぷりだと味噌が少なめでも美味しく感じますからね。
そして、野菜たっぷりだと
ナトリウムを排泄してくれるカリウムや
食物繊維も摂れますよ~!
こういったことを地道に重ねた県が!
そう、長野県!!
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味噌やお漬物をたくさん食べるのに
いまや長寿日本一になっていますから。
一人当たりの野菜消費量も日本一だそうです。
素晴らしいですね!
みそ玉の作り方
手軽に味噌を摂るためには、みそ玉もお勧め。
「みそ玉」ってこれ!
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みそ玉は、とっても可愛い手作りのインスタント味噌汁♪
◆味噌玉の作り方
①味噌・だし粉・好きな具材を合わせる
②一食分ずつ丸めてラップで包む
何種類かブレンドした味噌を用意。
だし粉と、旨味のもとでもある乾物を数種類入れます。
◆味噌玉づくりのポイント
乾物は多めに入れる事!
【使用する乾物の例】
切り干し大根・乾燥わかめ・
かんぴょう・干しエビ・干し野菜など
これらは多めに入れます!
そうすることで、乾物が味噌の水分を吸ってくれるんです。
その上、乾物は旨味もたっぷりですから。
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表面をごまやぶぶあられや細工麩で可愛くアレンジ♪
ラップでくるんでおけば、冷蔵庫で1週間ぐらいは保存OK。
海外留学するお子さんにも材料を持たせますとのお話も。
可愛いお麩も話題になりますね!笑
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是非、味噌はブレンドしてくださいね。
その方が味わいが深くなりますよ。
振り返り
以前は考えたことがなかったのですが、私が生まれ育った愛知県。
発酵の調味料がすべて作られている珍しいところなんです。
武豊町と湾を挟む位置にある碧南市。
ここはみりんの産地。
お酢、お酒、醤油、味噌、白たまり…
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長い時間をかけて、丁寧に作られる
本物の味と出会ってくださいね。
今回は「味噌」をテーマにしました。
味噌を自宅で仕込むのなら「米麹」を使った味噌がお勧め!
大豆以外にも豆の種類を変えると味の違いも楽しめますよね!
手作りするもよし、味噌蔵を巡ってもよし。
味噌は日本のスーパーフード!!
もっと味噌を身近に感じてもらえたら♪
次回の食オタノートもお楽しみに~♪