食オタ|食の資格者コミュニティ

野菜嫌いをなくそう!ニンジン編

今回は、食オタノートの人気シリーズ
「野菜嫌いをなくそう!」

今まで、トマト・ピーマン・ナスと
検証してきました。

野菜嫌いをなくそう!過去記事

「トマト」克服
https://www.shokuota.com/shokuotanote_tomato_kirai

「ピーマン」克服
https://www.shokuota.com/shokuotanote_greenpepper_kirai

「ナス」克服
https://www.shokuota.com/shokuotanote_vege_nigate_eggplant

今回は、
身近すぎて気づかなかったこの野菜!

そう、「ニンジン」!!!!

”大嫌い!”という人は少ない?

でも、いつも、
嫌いな野菜ランキング9位くらい。

どんなお料理にも入れたいニンジン!
みんなに「大好き!」と言ってほしい!

では、実験開始です~!

ニンジンが嫌いな理由


私はニンジン大好き!

なので「嫌いな人いるのかなぁ?」
と思いつつ…。

聞き込みしてみると、
意外にも結構いました!!

聞き込みの結果、分かったのは
「料理(食べ方)による」という事。

人参嫌いな意見

加熱NG!

・生は好きだけど、煮物のニンジンは嫌い 
・煮物ニンジンは変に甘くて許せない… 
・煮込んだ時のグニャリ感が苦手! 
・野菜スティックは好きだけど、ゆでると変な香りがする 

生がNG!

・キャロットグラッセは好きだけど、生は無理!
・シャキシャキした音を聞くと、ソワソワする…
・ニンジン独特の香りが嫌!!

こんな風に、
「生は好きで、加熱は嫌い」
「加熱は好きで、生は嫌い」
に分かれているんです。

色々な意見がありますね~。
ここまで真逆な意見は珍しいかも。

聞き取った話しをまとめてみると、
嫌いな理由はズバリ!

「食感と味」!!!!

ニンジンが嫌いな理由

———– 食感 ————
・生のシャキシャキ感
・加熱後のグニャリ感

————- 味 ————-
・独特な香りがのどに残る
・野菜なのに甘すぎる

つまり、
●シャキシャキしすぎず、
●グニャリもせず、
●甘すぎないけれど、
●ニンジン臭さを消せれば~

みんなニンジンが大好きになる~♪

わがままな4条件を
満たせる方法を探しますよ!

いざ、実験にGO!

【実験1】切り方で克服


ニンジン嫌いな方々のほとんどが
「ニンジンドレッシングは平気」と。

たしかにさっきの4条件を
全てクリアしていますね!

ということは、ニンジン自体の「自然な甘さ」を感じられれば克服できる

甘さと言ったら「糖度計」!

例えば「切り方」によって、
甘さに違いは出るのでしょうか?

切り方による糖度比較

1 生を縦切り
2 生を横切り
3 ピーラー
4 スライサー
5 おろしがね

この5つの切り方で、
糖度を比較してみます!

1 生を縦切り

ニンジンスティックは縦切りですよね!

ジューシーで、すっきりと甘くて、
バーニャカウダソースに合います~。

糖度:9.9

糖度は、「9.9」でした!

この数値を基準にしますので
覚えておいてくださいね!

2 生を横切り

縦切り(繊維を残す)と
横切り(繊維を分断する)で、
糖度に違いは出るでしょうか?

糖度:10.4

結構違いが出ましたね!

縦切りの時には水分を出すのに一苦労…
でも横切りすると、じんわりと水分が♪

3 ピーラー

ニンジンスティックはNGでも、
ピーラーニンジンのサラダは好き!

という方も居ました。

糖度:10.0

やっぱり縦切りだから、
生の縦切りに近い糖度でした。

なかなか水分が出ず、苦労…。

4 スライサー

ラペ用スライサーを使って斜め切り。
かなり細~くなりました!


大量にスライサーして
絞りましたよ~。

糖度:10.6

今まででは最も高い数値!

5 おろしがね

ドレッシングのニンジンは
おろしてありますよね。

糖度はどうかなぁ?

糖度:10.7

食べてみても、
やっぱり一番甘いです!!!

        切り方       糖度
生 縦切り9.9
生 横切り10.4
ピーラー10.0
スライサー10.6
おろしがね10.7

切り方まとめ

繊維が壊れれば壊れるほど、ニンジンの糖度UP!

苦手克服には、「横切り、スライサー、すりおろし」です♪

【実験2】調理法で克服


何と言っても、調理する前に
「水にさらす」が大事?!

野菜ソムリエ資格を持っている私的には
栄養分の流出が気になりますが~泣

人参を食べられるようになることが大事!!

全て水にさらしてから
調理してみましょう。

「水にさらす」+様々な調理法で!

にんじん調理法

1 ゆでる
2 炒める
3 揚げる
4 冷凍
5 干す

※すべて一度水にさらしてからの調理です

この5つの調理法で、
食べ比べてもらいます!

グニャリが苦手という、
知人に協力していただきましたよ!

1 ニンジンをゆでる

・丸ごと1本
・乱切り
・さいの目切り

で実験。

水から同時にゆでて、
竹串が通った段階でひきあげました。

「どれも美味しくない」と…。

まぁ許せるのは、
さいの目切りでゆでたニンジン。

私もさいの目切りを食べてみると、
「…ニンジンの味がしない。」

彼が最も苦手だったのは
”丸ごとゆで→乱切り”

たしかに、グニャリと甘い!

ニンジン克服①

ゆでるなら、細かく切ってから!

グニャリ感が軽減され、味も薄くなります!

2 ニンジンを炒める

大き目カットはダメなようなので、
今度は、小さめカットで!

粗みじん切り vs さいの目切り
で炒めてみます。

グニャリ感をとる実験なので、
きちんと中まで火を通しました。

同じ50gずつに測って
いざ実食!

下写真右の「粗みじん切り」の方が
量が多く見えて、印象悪いですが…。
どうかなぁ?

感想は、
「粗みじん切りの方が美味しい!」

たしかに、粗みじんの方が
大きめのさいの目よりも
グニャリ感が消えています!!!

オリーブオイルの風味で
ニンジン臭さも感じません!

ニンジン克服②

炒める時も、細かく切る!

グニャリ感がなくなります!

3 ニンジンを揚げる


人参を大き目に切っての素揚げ!
美味しいですよね~。

…ところが、人参嫌いの彼いわく
「信じられない!」

それならばと「フリット」に!

外皮のサクサク感で
ごまかせるでしょうか?

答えは、〇マル!

「おっ、コレならいける!」
とのこと。

外はサクサク、
中はフンワリを狙って作ったはずが、
中がわりと硬め…。

でも、食べてくれたから良し♪

ニンジン克服③

揚げるなら、フリット&半生で!

サクサク皮のおかげでグニャリがごまかせる!

半生なので、ニンジン独特の香りが気にならない!

4 ニンジンを冷凍する

グニャリ苦手派には、
この2つで克服できそうでした!

・小さめに切ってゆでる、炒める
・半生でフリットする

次は、
シャキシャキ苦手派を克服せねば。

実は娘が、生ニンジン嫌い派。
「食べるとソワソワする」と彼女。

そんな娘も大好きなのが、
ニンジン冷凍です!

作り方は簡単。

スライサーで切ったラペ用ニンジンを、オレンジジュースと一緒に保存袋に入れて冷凍。食べる時は自然解凍するだけ!

冷凍することで繊維が壊れ、オレンジの風味、干しブドウの甘さもあいまって、家族に人気な1品です!

ニンジン克服④

シャキシャキ苦手派には、細切り人参を冷凍!

生なのに、ほどよい食感が良い

5 ニンジンを干す


冬(12~2月)こそ干し野菜!

薄切りニンジンを
洗濯干しに吊るすだけ!


翌日には、
こんなにカラッカラに♪

干しニンジンは、水に戻して使うと便利!
干し大根と合わせたはりはり漬け。
とっても美味しいですよ!

ただ、もっと簡単で、
みんなに喜んでもらえるのが…
オーブントースター焼き!

2~3分でチップスができます!

パセリ塩をかけて食べると、
とまらない美味しさ♪


機種によって時間は調整してくださいね。
すぐに焦げてくるので気を付けましょう。
ぜひ出来立てを食べて下さい!

ニンジン克服⑤

干しニンジンは、全ての方にオススメ♪

シャキシャキも、グニャリもせず、ニンジンの嫌な甘さも感じません!

調理法を工夫することで、嫌いな理由の「食感:グニャリ、シャキシャキ」が克服できそうですね!

調理法まとめ

グニャリ苦手派

・ゆでる時は、小さめに切ってからゆでる。
・炒める時は、粗みじん切りよりも小さく切る。
・あげる時は、フリットに!(皮のサクサク感でごまかされます)

シャキシャキ苦手派

・超細切りニンジンを冷凍する(オレンジジュースと一緒に冷凍すると尚よい)

全ての人に

・調理の前に、ニンジンを水にさらす
・ニンジンを干すと、シャキシャキもグニャリもしない食感に!

【実験3】レシピで克服


人参の独特な香りと甘さを消すには、
やっぱり「濃い味」ですよね~!

さっそく作ってみました!

人参シリシリ


食オタ執筆メンバーの増田さんの
子ども料理教室での一番人気は、
「人参シリシリ」とのこと!

グニャリ&甘さが苦手は彼も
OKサイン!


細切り人参をサッと炒め、ツナ缶・めんつゆを入れ、卵でとじるだけ。

ツナは味の主張が強いので、
コレは万人が好きかも~~~。

餃子・ハンバーグ

餃子やハンバーグに入れるのも効果的!

ニンジンは粗みじん切りサイズまで、
小さく切ることも重要です!

醤油、ラー油、ゴマ油、ニラなどなどの味が強烈な食材と合わせることで、ニンジンが入っていることは全く感じません。

カレー

当然、カレーもOKですよね~!

カレーは粗みじん切りでもばれるので、すりおろしニンジンをたっぷり入れましょう!

糖度も高かったすりおろしのおかげで、甘くてコクのあるレストランのようなカレーができますよ!

レモン炒め

ニンジンの甘さが苦手な方には、
レモン炒めです!

レモンの酸味がまず口に広がるので、
人参独特な味と甘さを感じません!


ニンジングラッセを作った時に、苦手な人にはレモン汁をかけるだけでも大丈夫!

レシピを工夫することで、嫌いな理由の「味:独特な香り、甘すぎる」が克服できますね!

レシピまとめ

香りが苦手派

・味主張の強い食材と合わせる(人参シリシリ、餃子、カレーなど)

変な甘さ苦手派

・柑橘系と合わせる(レモン焼き、オレンジサラダなど)

【実験4】品種で克服


ニンジン嫌い克服で
まず思い浮かんだこと。

カラフル人参ってどうなんだろう?

割と細いものが多いので、
ニンジン独特の香りが濃いのかな?

白っぽいニンジンは甘くなさそう…

気になったら、もちろん糖度実験!

カラフル人参の糖度比較

●金時人参
●紫ニンジン
●黄色ニンジン
●白ニンジン

この4つの人参を
すりおろして比較してみました。

金時人参

まずは金時人参。
赤に近いオレンジ色なので、甘そう♪

糖度:11.1

一般的な人参のすりおろしは「10.7」

やっぱり金時人参の方が
甘いことがわかりました!

紫にんじん

次は、紫色人参。
色から想像すると、少し苦そう…。

糖度:12.5

意外にも甘いんですね~!

黄色にんじん

そして、黄色人参。

お~、
すりおろした時にわかる柔らかさ!

すでに香りが甘いです♪

糖度:12.0

あれ?紫色の方が甘い…。
でも、食べてみると
黄色の方が甘い気がします♪

白にんじん

最後は、白人参です。
印象としてはさっぱりした感じ?

かと思いきや、
かなりの柔らかさ&甘い香り♪

糖度:13.5

ダントツですね!

種類糖度(すりおろし)
オレンジ(五寸人参)10.7
金時人参11.1
黄色人参12.0
紫色人参12.5
白色人参13.5

白は、食べてみると「ニンジンなの?」
というほどに人参臭さがない!

しかも、柔らかいので
シャキシャキ感も薄い!

…ということで、
シャキシャキ嫌いな娘登場。


ピーラーで食感をよくした
白人参サラダは、食べられるのか?

OK!
だそうです~~~♪

今まで、生人参を食べさせるために、色々と工夫しては撃沈していた母としては、オ・ド・ロ・キ!

カラフル人参でグラッセも作ってみました♪

もともとグラッセ好きな娘は
全色「美味しい~」。

グニャリ&変に甘い人参嫌いな知人も
「お~白人参なら食べられる!」
とのこと!!!

「そんなに美味しいの~?」
と私も試食。

…うん?ニンジン?砂糖とバターの味しかしない…。やっぱり私は、ニンジン臭さが欲しいなぁ。

とは言え、白人参からニンジンを食べていけば、
ニンジン嫌いにならないかも!

品種まとめ


カラフル人参は、糖度が高い!

白・黄色ニンジンは、柔らかいので食べやすい!

人参嫌い克服まとめ

◆切り方による克服法

「すりおろし」「スライサー」のように繊維を壊すことで糖度がUP!
自然な甘さが強調され、ニンジン独特な香りを解消できます!

◆調理法による克服法

【グニャリ苦手派】
・ゆでる時は、小さめに切ってからゆでる。
・炒める時は、粗みじん切りよりも小さく切る。
・あげる時は、フリットに!(皮のサクサク感でごまかされます)

【シャキシャキ苦手派】
・超細切りニンジンを冷凍する
 (オレンジジュースと一緒に冷凍すると尚可)

【全ての人に】
・調理の前に、ニンジンを水にさらす
・ニンジンを干すと、シャキシャキもグニャリもしない食感に!

◆レシピによる克服法

【人参独特の味が苦手派】
・味主張の強い食材(ツナ、ニラ等)と合わせる(人参シリシリ、餃子、カレーなど)

【変な甘さが苦手派】
・柑橘系と合わせる(レモン焼き、オレンジサラダなど)

◆品種による克服法

白、黄色人参は、柔らかくて甘い。

今回の実験をするにあたり、数多くの方に「ニンジンって好き?」と聞いてきました。

そこでわかったことは、意外にも
「大人の方が嫌い」ということ。

たしかに、昔のニンジンの方が
人参独特の香りは濃かったかも…。



品種改良によって、
人参が食べやすくなっている!

昔の記憶のままだった知人が「90%克服できたな!」と言った背景には、食べず嫌いもあったのかもしれません。

カラフル人参も含め、
最近の人参は美味しいですよ~♪

食わず嫌いをやめて、
どんどん食べて欲しいです!

今回の実験を参考に
「やっぱり人参くさい方が美味しい!」
という人が増えたらいいなぁ♪

次回の食オタクノートもお楽しみに!