“食欲の秋”と言えば、みなさんは何を思い浮かべますか?
さつまいも?柿?ぶどう?松茸?
全部美味しいですが、外せないのが「栗」!!
昨年は、自宅のまわりの栗が豊作で、私もこの量が3回も収穫できたんです↓

たくさん栗があるのは嬉しいけれど、皮を剥くのが大変なのよね…。
ということで今回は!
野菜ソムリエである私が『簡単な栗の皮むき方法』を検証していきたいと思います。
栗の皮むき方法ってどうすれば?!
鬼皮と渋皮とは
栗をどうやって食べたいかによって、栗の皮むき方法が変わります。
「鬼皮だけ剥いて渋皮を残す」のか?
「鬼皮も渋皮も剥く」のか?
これが大事。
鬼皮 … 外側の固い皮のこと
渋皮 … 鬼皮と実の間にある薄い皮のこと
そもそもきれいに剥けなくてOKの栗料理もありますよね!
まずは自分が食べたい栗料理を整理してみましょう。
栗料理・マロン菓子の一覧
みなさんの食べたい栗料理は何でしょうか?
『栗きんとん』や『栗のモンブラン』などは、そもそもマッシュして使いますよね。
潰すものは綺麗に剥けなくても大丈夫!
茹でてから半分に切って、スプーンでほじり出せば良いですね~。
以前の検証結果
そういえば以前、食オタ仲間も研究してくれていました↓
これによると…
✓ 茹でる前に生栗を水につけておく
✓ 茹でた後に水に移し替えておく
などの情報が。ふむふむ。
私が目指すは渋皮煮!
私が、毎年どーしても食べたくなるのが『渋皮煮』♪

『渋皮煮』を作るためには「鬼皮だけを剥く」というのが、重要ポイントなんです。
あなたは何を作りたいですか?
【栗の皮の剥き方検証1】
生栗を水につけるvs熱湯につける
茹でる前に生栗の皮を剥く方法
栗を茹でる前に、生栗の皮を剥かなきゃいけない場合がありますね。
『渋皮煮(鬼皮だけ剥く)』『栗ご飯(鬼皮+渋皮も)』『栗の甘露煮(鬼皮+渋皮も)』のいずれもが、そう。
一般的には、皮を剥いてから茹でます。
水vs熱湯どちらにつけると良い?!
以前の記事でも、茹でる前に「生栗を水につけておく」方法は効果アリ!とのことでした。
そして「熱湯につける」も良いらしいとの情報が。
果たして皮むき前につけるのは…
水がいいのか?!熱湯がいいのか?!
【比較実験】生栗を○○につけてから皮を剥く
(1)水につけてから剥く
(2)熱湯につけてから剥く
※つけ時間は45分間。栗生産者からアドバイスいただいた時間なので、ご意見のまま比較してみます。

私はいつも水につけている…。
検証してみましょう!
(1)生栗を「水」につけてから皮を剥く方法
まずは、生栗をざっと洗って選別します。
水につけて…待つこと45分。
渋皮煮にも使えるように、鬼皮と渋皮を別々に剥きます。
剥き方おさらいしながらいってみましょう~!
手順1)おしり側から包丁を入れる
最初に包丁を入れるのは、おしり側。
この栗のおしりのザラザラ部分は「座(ざ)」と呼ばれます。

ここでポイント!
包丁は、握りやすい小さめを使いましょう。
力も入りやすくて、滑らないので剥きやすいです。
渋皮を傷つけないように、座に浅めに包丁を入れます。

手順2)先端に向かって鬼皮を剥く
栗の先端に向かって、皮を剝がすようにひっぱりあげると…
こんな感じに剥けていきます↓

同じ要領でまずは座(おしり側)から1周。
先に茶色いツルツルの鬼皮を剥いていきます。
渋皮煮を作る場合は、渋皮を傷つけないようにするのが難しい…!

手順3)おしり側を取る
最後に残ったおしり側の座を剥きます。
ココは皮を切るのではなくて、刃で皮の端にひっかけて上に引っ張ると、取れやすいですよ。

これで鬼皮がキレイに剥けました!
水に45分間つけて、鬼皮は柔らかくなっているけど…。
たくさん剥くのはやはり疲れる作業だなぁ。

渋皮煮の場合は、ここまででOK。
次の渋皮も剥く場合は、鬼皮を剥いたら水に戻しておきます。
そうすると渋皮も柔らかくなるので、剥きやすくなりますよ。
手順4)渋皮を剥く
栗ご飯や甘露煮は、残りの渋皮も剥いていきます!
渋皮は、ジャガイモの皮を剥くように、形に沿って薄く剥いていきます。
生栗だと硬いので、包丁が滑らないように注意!

剥き終わりました!
指疲れる~(笑)
形に沿うように切ったものの…
ちょっと下手くそすぎたかな(笑)

皮は厚めに切れちゃうところもあって、すこし勿体ないかも。
(2)生栗を「熱湯」につけてから皮を剥く方法
次は「水」ではなく「熱湯」につける方法を検証してみましょう。
ボウルに栗をいれて、熱湯を注ぎます。

お湯が冷めないように蓋をします。
こちらも待つこと45分…。
熱湯につけて45分後の様子
熱湯を注いでしばらくすると…
栗の中から気泡が出てきています。

中にお湯が入り込んだってことかな?
45分後、栗を持ってみると…、ん?
なんだか鬼皮が柔らかくて、実から浮いているような…?

ぎゅーっと押すと水が出てくる
これはすでに剥きやすそうな予感♪
熱湯に45分つけた生栗を剥いてみる
さっきの剥き方で剥いてみましょう!
おぉ~。
おしり部分にも包丁入れやすい!
幅が広くするーーーんと剥けてく。

なんと、手で鬼皮が剥けちゃうところも。
皮がこんなに柔らかくなってるです~↓

おもしろーい!!気持ちいーー!!
おしり部分はさすがに包丁じゃないと
剥けませんでした(汗)

渋皮を残してきれいに剥けた!
鬼皮と渋皮が離れやすいから、渋皮を傷つけず剥くことに成功♪

これは!『渋皮煮』に最高!
勿体なくて、渋皮むけな~い(笑)
一応渋皮も剥いてみましたが、水につけたものと剥きやすさは変わらずでした。
結論:生栗は熱湯に45分つけると鬼皮が剥きやすい
(1)水につけて剥く方法
水に45分つけただけでも、鬼皮は柔らかくて剥きやすいです。
だけど、たまに深く包丁を入れすぎちゃう…。

こうなると『渋皮煮』はできないんだよね…(涙)
渋皮まで剥く栗ご飯などなら問題ないけど…。
(2)熱湯につけて剥く方法
熱湯に45分つけることで、鬼皮が柔らかくなります!
そして鬼皮と渋皮に隙間ができるみたい。

鬼皮、すんごーーーく剥きやすいです!
渋皮煮したい人は、是非やってみて!
結論
鬼皮だけを剥きたいなら、「生栗を熱湯に45分つける」が断然オススメ。
『渋皮煮』を作るならこの方法がキレイに剥けます!
※渋皮の剥きにくさは、水につけてもお湯につけても変わらない感じです。
【栗の皮の剥き方検証2】
茹で汁に放置で渋皮が剥きやすくなるってホント?
以前の記事の検証で、鍋に残っていた茹で栗が1番剥きやすかったみたい。
コレも検証してみましょう。
検証内容
「茹でた汁につけておくと渋皮が剥きやすくなる」ってホント?
鬼皮だけじゃなく、渋皮も簡単に剥けたらいいですよね♪
<検証する手順>
生栗を15分茹でて火を止める → ゆで汁に入れたまま冷めるまま放置→皮を剥く
手順①先に軽く15分茹でる
ざっと洗った栗を、ひたひたの水で茹でます。
通常の栗の茹で時間:中火40分~50分
皮を剥くことが目的。
なので、完全に茹でないで、茹で時間は「15分」に!

火を止めたら、このゆで汁に栗をつけたまま放置。
お湯が冷めるまで置いておきましょう。
手順②鬼皮を剥く
おぉ!!するーーんと剥きやすい!

さきほどの「生栗を熱湯に45分つけて剥く」よりも、鬼皮が柔らかいです。
大きく厚めに剥けるので、渋皮がうすーく残ってくれてる!!

ただし難点が1つ。
おしり部分(座)の皮も柔らかいんですよ…。
一緒に薄皮まで剥がれやすくなります。

深く刃を入れすぎないよう、包丁の角度に注意。
渋皮が切れちゃったものは渋皮煮には使えない…(涙)
渋皮残して鬼皮だけ剥くには、難易度高そうです。
手順③渋皮を剥く
ここで本領発揮!!
さらに渋皮も剥いてみると…
スルスル剥ける~♪

茹でたことで渋皮も柔らかくなっています。
あんなに手が痛かった渋皮剥きが、楽チン♪
これは力もいらない~♪

実が柔らかいので、少し崩れやすさもあるけど…。
ラクさを考えたらこれは良い!!!
(茹ですぎは注意!)
結論
渋皮まで剥きたいなら、「生栗をいったん15分茹でて、ゆで汁ごと冷めるまで放置」がラクラク♪
鬼皮も渋皮も剥きやすい!
『栗ご飯』『栗の甘露煮』を作るときは、渋皮がラクに剥けるこの方法が良さそうですね。
※茹で時間が短いのでさらに加熱して食べてくださいね。
【栗の皮の剥き方検証:番外編】
冷凍して熱湯をかけると剥きやすくなるってホント?
ずっと気になってたこの方法。
「生のまま冷凍した栗を熱湯をかけると剥きやすくなる」?!
検証内容
<検証する手順>
生栗を冷凍 → 熱湯をかけて5分置く→皮を剥く
ホントかな~?やってみましょう。
手順①生栗を冷凍する
まずは、洗った生栗をジップ袋に入れて冷凍庫へ。

これだと長期保存もできるから良いですよね。
手順②冷凍した生栗に熱湯をかける
凍ったままの栗を耐熱ボウルなどに入れ、熱湯を注ぎます。
冷めないように蓋をして5分置きます。

冷凍トマトに流水を当ててツルンと皮を剥く方法もありますよね!
5分経って…
取り出した栗を触ってみると、ブヨブヨ?!

鬼皮だけじゃなくて、全体が柔らかい感じ。
ちょっとイやな予感…。
手順③鬼皮を剥く
鬼皮から、剥いてみましょう。
あれあれ??
少し切れ目を入れただけで、つるーんと剥けた!

気持ちいいくらい、するん!
おしり側も手でも剥けちゃう!!
包丁要らないじゃーーん!

部分的に、鬼皮と一緒に渋皮も剥けてる~♪
これは渋皮まで剥くのにいい!!
と思ったけど…
手順④渋皮を剥く
全て渋皮が剥けるワケではないんですよね。
残った渋皮を剥こうとすると…
実がブヨブヨしていて剥きづらーい(汗)

剥こうとすると、実が歪んでしまう…。
包丁が進んでいかない(汗)
鬼皮と渋皮一緒に剥くと、少しだけ剥きやすいかな。

ただし、厚めに剥けちゃったり、途中で割れちゃったり。
力加減がむずかしーーーー!
上手に剥けると、だいぶ頑張ってこんな感じ(汗)↓

気になる冷凍した栗の味ですが、問題ナシ!
加熱するとブヨブヨは気にならず、美味しく食べることができました。
栗ご飯にしたら美味しかった♪
結論
冷凍した生栗に熱湯かけて5分置くと、鬼皮も渋皮も柔らかくなるのはホントだった!
ただし!実がブヨブヨして包丁だと剥きずらい…。
鬼皮だけ剥くのも、部分的に渋皮がくっついて剝けてしまうため、渋皮煮には向かなそう。
長期保存はできるので、大量にあってすぐに食べられない時には、重宝する方法かと思います。
まとめ
鬼皮だけを剥きたいのか?
渋皮まで剥きたいのか?
どんな栗料理を作るかによって、ベストは剥き方は変わってきます。
レシピごとの最適な栗の皮のむき方
鬼皮だけ剥いて渋皮を残すには?
最適方法
生栗を熱湯に45分につけてから皮を剥く
向いている栗料理
✓渋皮煮
この方法だと、渋皮を破かずに残しながら、鬼皮は柔らかくなって剥きやすいです!
渋皮煮を作りたい人におすすめの方法♪
渋皮もラクに剥きたいときは?
最適方法
生栗を15分茹でて、ゆで汁に入れたまま冷ましてから皮を剥く
向いている栗料理
✓栗ご飯 ✓栗の甘露煮
ちょっと崩れることもあるけれど、薄皮の剥きやすさでは一番!
崩れたカケラも栗ご飯に入れちゃえば問題ないですね♪
我が家はリビングのすぐ横に栗の木があります。
栗の落ちた音が聞こえると、拾いに行きたい衝動にかられます…。
今回の検証で、何個の栗を剥いたんだろう?!
夜な夜な剥いてました(笑)
おかげで、ケータリングのごはんにも、栗が大活躍してくれました♪

栗って食べるの美味しいけど剥くの大変!
この記事が、そんなみなさんの手助けになれば嬉しいです♪
栗の季節を楽しんでくださいね~!!