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使い終わった油で「廃油キャンドル」をつくろう~家庭で出来るSDGs・自由研究に~

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みなさんは、使い終わった油ってどうしていますか?

固めて捨てる?
吸油パットに吸わせて捨てる?

実は「廃油をキャンドルにする」という使い道があったのです!

 

楽しくて、SDGsにもなる!
夏休みの自由研究にもピッタリ!

今回は「廃油キャンドル」の作り方を研究していきましょう♪

 

廃油キャンドルを作る前に…

家庭でできるSDGsを考えよう

 
こちら、使い終わった油…。
そのまま排水に流すのは、絶対NGですよね!
 

 

使い終わった油=廃油に関わる
SDGsの目標としては、こちら↓

目標12「つくる責任 つかう責任」

目標14「海の豊かさを守ろう」

 

廃油を捨てずに家庭でリサイクル出来たら、SDGsに繋がりますよね。

 
以前「食品ロスを防ぐ方法」もご紹介していますので、併せて見てみてくださいね↓
≫ https://www.shokuota.com/note-sdgs-foodloss1

 
そして、キャンドルを作っておけば
・昨今の電力不足の一助
・災害時の備え

にもなるので、良いことずくめ!

 

キャンドルが燃え続ける理由

 
まずは、キャンドル(ロウソク)はどうして燃え続けているのか?
原理を確認しておきましょう!
 

 
こうして炎は燃え続けているんですね!

蝋(ロウ)は少しずつ蒸発して減っていきます。
火が消えると温度が下がって、蝋はまた固形に戻るのです。

 

キャンドル(ロウソク)の種類

 
蝋(ロウ)って、実は種類もいろいろとあるんです!

<蝋(ロウ)の種類>
 
➀ワックスろうそく
動物、植物、鉱物などの油脂を使用したもの
 ・パームワックスろうそく
 ・ソイ(大豆)ワックスろうそく など

②パラフィンろうそく
石油化合物を使用したもの

③蜜蝋ろうそく
ミツバチの蜜蝋(みつろう)を使用したもの

など。

つまり蝋(ロウ)は、油から作られている…。

廃油が「植物の油」と言うことは、
➀の「ワックスろうそく」が作れそうですね!

 

どうやって廃油キャンドルを作るの?

 
まず、みなさん気になっているであろう
「廃油をどうやってキャンドルにするの?!」という疑問。

これを使うのです!!
廃油を固める粉!!

 

これ、「油凝固剤」と言います。

廃油凝固剤とは?
植物油脂から作られる飽和脂肪酸です。
油に溶けると、温度が下がるときに油を閉じ込めて固まります。

冷えて固まり、熱を加えると再び液体になる性質…
それって蝋(ロウ)と同じ!!

 
そうです。
この油凝固剤で、廃油を固めるだけ!(カンタン!!)

廃油キャンドルに欠かせない材料ですね。

 

材料と道具を準備しよう

 
準備するものはこちら。

廃油キャンドルの材料・道具

  • 廃油(使い終わった食用油)
  • 廃油凝固剤
  • ロウ芯(タコ糸、煮豚用糸、なければティッシュペーパー)
  • 耐熱容器(空き瓶や空き缶)
  • 油を温める鍋
  • 割りばし
  • ペーパーフィルターやキッチンペーパー(油を漉すもの)

 

 
すべて自宅にあるもので充分です!

私が集めた材料をお見せしますね。

●使い終わった食用油

使い終わったサラダ油、キャノーラ油、こめ油、オリーブ油、ごま油…何でもOK!

●廃油凝固剤

凝固剤を入れずに、油だけで作ることもできます。
が、液体のままだとこぼれる心配や、芯の固定が難しいので、凝固剤を使うことをオススメします。

●ロウソクの芯

タコ糸や煮豚用の糸が手軽です!
なければティッシュペーパーでもOK

●耐熱容器

瓶や紙コップ、シリコンカップ、缶など、耐熱のものを使いましょう。
蝋が溶けると高温になるので、瓶などの厚手の容器がオススメ!

 

そのほか、油を温める鍋・割りばし・ペーパーフィルターやキッチンペーパー(油を漉すもの)などをご用意くださいね!

 

 

廃油キャンドル作りに挑戦!

それではいざ!
廃油キャンドルを作ってみましょう♪

廃油キャンドル基本の作り方

1)芯をつくる

芯はタコ糸です!
タコ糸を、割っていない割りばしの間に挟みます。

それを下の写真のように容器にのせて…
タコ糸が底に少し付くくらいに垂らします。
 

 
上は少し出るくらいの長さで切ります。
最後に長さは調整するので、この時点では長めに切ってOK。

 
タコ糸がない方は、ティッシュでも芯作れますよ~!

ティッシュをこよって、
下の写真のような細長い棒状にします。

 

2)油を濾す

油をキレイに濾しましょう!
揚げカスや汚れは、灯したときに、ススや匂いの原因にもなります…。
 

●瓶などに貯めておく場合

コーヒーフィルターやキッチンペーパーを活用。
穴をあけた紙コップにフィルターになるものを乗せて濾します。

 

●鍋に直接入れる場合

濾しながら鍋に直接油を入れていくなら、
ザルにキッチンペーパーだと楽チン♪

 

3)凝固剤を溶かす

廃油を鍋で温めて、油凝固剤を溶かします。

 
割りばしなどでしっかり混ぜて、まんべんなく溶かしましょう。

※油の温度や凝固剤を入れる量は、各製品の箱に書いてある使用方法をチェックしてください↓

 

熱すぎるとヤケドの心配があるので、
少し温度が下がるのを待ちましょう!

 
固まってしまったら再加熱するとまた溶けてくれますよ~。

 

4)容器に流し込む

粗熱が取れたら、
用意しておいた容器に流し込みます!

芯を挟んだ割りばしを、少し寄せてから注ぎます。

 
注ぎ口が小さい計量カップなどに移してから注ぐと、やりやすいですね!

【注意】大人も子供もヤケドに十分注意しましょう!


廃油を入れるのは容器の8分目くらいまで。
固まる前に、芯を真ん中に戻しておくのを忘れずにね!!

 

5)廃油キャンドル完成!

冷えて固まれば完成です~♡

固まる時間は気温にもよりますが、
小瓶に入れて、だいたい30分~40分くらい。

 

しっかり固まったら、タコ糸の長い部分を切ります。

 

火を灯してみよう!

 
本当に、燃えるの?最後まで燃え切るの?
私も半信半疑でつくりました(笑)

それでは…点火!!!

 

おお~!キャンドルだ!

ろうそくと同じように、ユラユラと燃え続けてくれました!
火の明かりは癒されますね~♪

↓実際に燃えている様子の動画

上の動画の小さなシリコンカップで作ったキャンドル。
30分くらいは燃え続けてくれました♪

30分したら油が液体になって、芯が倒れてしまった…。

 

でも冷えて固まったら爪楊枝で穴をあけて、
新しい芯を挿してあげたら良いですね!

 

気になる廃油の臭いは??

 
「廃油キャンドルは、臭いが気になる?」

ですよね!
私も気になっていたのですが…

意外にも、気にならないです!!
作っているときは、少し酸化臭がしますが…。

灯しているときは「廃油の匂い」はあまり感じません♪

 

作ってみて注意すべき点

●油はキレイに漉すべし

油を漉さないでも作ってみましたが…
見た目的にも漉した方が美しい!!

↓濾したもの(左)と漉してないもの(右)


漉していないと、沈殿物がありますね。
気分的にも「廃油」感が…。

 

●容器は厚手にすべし

溶け始めると、油が柔らかくなり容器が熱くなる!
耐熱の中でも、厚手の容器で作る方が安心です。

また、廃油キャンドルは溶けると油状態に戻ります。
なので火を灯すときは容器に入れたまま点火します!

ロウソクのように、容器から取り出して火をつけるのは、避けた方が良さそうですね。

 

●ティッシュ芯は火力に注意すべし

ティッシュの芯も灯りましたよ~♪
でも芯が太くなるので、炎が大きくなる!

火力にご注意!!

 

●廃油が材料なので吸い込まない方がよさそう

廃油=酸化した油です!
熱すると酸化した油が空気中にが揮発しています。

あまり大量に吸うと、身体によくない気がしています。
密室で使用したり、近くで匂いを嗅いだりはしない方が良いかも?

 

●その他、注意すべき点

・使用中は火元を離れないようにしましょう!
・凝固剤は、決められた量で使いましょう!

  

色付け&香り付けしてみよう

 
思った以上にイイ感じに出来た廃油キャンドル。
でも、せっかくならもっと可愛く仕上げたい♡

と、いうことで!
「色」と「香り」をプラスしてみましょう♪

 

クレヨンで色付けしてみよう!

 
色付けには、これ!
クレヨンを使ってみようと思います!

折れてしまった欠片を有効活用♪

 

なぜクレヨン?

クレヨンって基本的に、
ロウやワックス+顔料で出来ているんですって!
キャンドルに近い成分。

しかも熱で柔らかくなって溶けるとのこと。

ズバリ!
「温めた油でクレヨンが溶けて、色が混ざるよね??」
と予測。

 

クレヨン着色やってみよう!

溶けやすいようにクレヨンを細かく削って、
容器に先に入れておきます。

 

そこに、凝固剤を入れた油を流し入れて
よ~く混ぜると…

お。キレイに色が混ざってきた~♪

 

入れたクレヨンよりも、淡い色合いも可愛い♡
もともと廃油キャンドルが黄色っぽい色だからかな。

まんべんなく、キレイに色を付けることに成功!

※私は約200mlのキャンドルに、2~3gの削ったクレヨンを入れました。お好みで調節してみて下さい。

 

色の層を作ってみたい…!

となると、やってみたいですよね!
色の層!!

紙コップなどで色を混ぜて作っておいて。
1層目がしっかり固まってから、次の層ですね~。

って、その間紙コップの中で固まっちゃった…(当たり前)
もう一度温めて、注ぎます。

 
きちんと層にしたいときは、
ひとつずつ作っていくのがポイント!

ちゃんと層になりましたよ~!

 

アロマオイルで香りづけしてみよう

 
キャンドルと言えば、
やっぱり香りも付けたくなっちゃいますよね!

使うのはもちろんアロマオイル!

 
熱々の所に最初から入れてしまうと、
香りが飛んでしまいそう…。

アロマオイルを入れるタイミングは
・容器に油を流し込んでから
・粗熱がとれて容器に入れる直前
が良さそうですね。
 

 

アロマオイルは、1キャンドルに対して数滴の割合で入れました。

灯してみると…、少し香りが漂う♡
(※ベースは廃油=参加している油なので、近くで嗅いだりすることは控えた方がよいかと思います)

でも作ってる時が、一番香りを楽しめるかな!
愛おしいキャンドルが完成しました♪

 

廃油キャンドルまとめ

 
元々固めて捨ててしまっていた、使い終わった油。
こんな風にリサイクルできるなんて!

廃油キャンドル、とっても簡単に楽しめました!

 

是非お子さんと一緒に、自由研究にもやってみてくださいね!

この廃油キャンドルを作ることによって、
油の処理の仕方を考えるきっかけになったら嬉しいです。

 

使い終わった油の処理の仕方を考えよう

Q1 使い終わった油は何ゴミ?
A 使った油は「燃えるごみ」として捨てるのが基本。
排水にそのまま流してはいけません。

Q2 油はどうやって捨てるの?
A いくつか方法があります
・油凝固剤で固めて捨てる
・牛乳パックなどに紙をつめてその中に廃油を流し入れ、牛乳パックごとポリ袋等に入れて口をしめ、ゴミ袋に入れて出す
・資源ごみとして回収している自治体もあります

Q3 油は1回しか使えないの?
A 料理内容や状態により複数回使えることもあります
揚げたカスや酸化が油を劣化させるので、使い終わったら網じゃくしで揚げカスをしっかり取り、密封して冷暗所に保存します。ただし、酸化した油は体に悪い影響を及ぼすため、健康のためにも、できるだけ新しい油を使用するようにしましょう。

  


 
 

今回は「廃油キャンドル」を作ってみました。

使い終わった油をリサイクルできて、
家庭で楽しく実践できるSDGsですね!

キャンドルは、非常用にも役に立つので作っておくと便利です!
 

 

たまには電気を消して、キャンドルの灯りで
ゆったりとした時間を過ごすのもいいですね。

電気を消す時間も、SDGsに繋がっていきます!
 

 

我が家ではいつも固めてゴミとして捨てちゃっていた廃油。
こんな簡単なら、毎回やろう♪

みなさんもぜひ「廃油キャンドル」試してみてくださいね!

 

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